かわいい戦争



俯いたまろんちゃんには見えないだろうね。


淡い赤色が点した、グレーの瞳は。



「ドラマ降板されて落ち込んでくださいよ!分が悪いニュースに動揺してくださいよ!いじめられたら傷ついてくださいよ!どうして平然としていられるんですか!!」



ちゃんと璃汰を見てよ。

あんなにも近くにいるんだから。


璃汰の心は泣いてるよ。



「デビューが決まってるから?確実に何もかも手に入るから?あたしに何されてもどうでもいいから?……だから平然としていられるんですか?」



無理やり作られた笑顔は、不器用で不格好。


嘲っているようで、自虐してるようにも汲み取れた。



「思えば今までもそうでしたよね。リタ先輩はいつも余裕そうに何でもそつなくこなしてた。天才だって思いました。何でもできるリタ先輩に追いつきたくて、がむしゃらに頑張って、踏ん張って、やっと今の場所を掴み取れたのに……リタ先輩は簡単にセンターの座を手放して、グループを捨てられるんですね」



余裕そう?天才?簡単?捨てられる?



……まろんちゃんはわかってない。


璃汰のことをちっともわかろうとしてない。



「憧れてたのに!リタ先輩みたいになりたいって思ってたのに!……裏切られたみたいで悲しかったんです。ムカついたんです。あたしたちを置き去りにして、楽々と先を行くリタ先輩が許せなかったんです!」


「違うよ!!」