「まろん、あなたは間違ってるわ」
「あ、あたしは正し……」
「多くの人を巻き込んで、傷つけて……これのどこが正しいの。自分を正当化するのはもうやめなさい。惨めなだけよ」
叩かれたほうは痛い。
だけど叩いたほうも痛いはずだよ。
今までの傷の上にさらに痛みを積んでも、まろんちゃんに身をもって教えたかったんだ。
痛みの苦しさを。
「大ごとにしないで、直接あたしに言えばよかったのよ。本音も愚痴も嫌みも願いも……何もかもあたしだけにぶつけてくれていたら、こんなことにはならなかったのに」
「言ったって変わらないじゃないですか!!」
ひしめく叫びに倉庫が揺れる。
小さな影が薄く伸びていく。
「今更あたしが何を言ったって、リタ先輩のデビューは変わらない。結局リタ先輩だけ幸せになるじゃないですか!」
「……だからデビュー自体をなくそうとしたの?」
「デビューできなくさせるのが一番でしたけど、ちょっと不幸にさせるくらいであたしはよかったんです。裏切ったリタ先輩をあたしと同じ思いにさせてやりたかったんです……!」
でも、と奥歯を強く噛みしめた。
「全然思い通りにならない……っ」



