かわいい戦争



碧眼からポロッと涙がこぼれた。


同時にドン!ゴン!と重い音が重なる。



「いってーな!何だよ!!」


「んんっ!」

「やりすぎだ!!」



璃汰が右のかかとで左足を、勇祐くんが背後から後頭部を思いっきり攻撃し、天兒さんは手をほどかざるを得なくなった。


解放されたまろんちゃんは、力の抜けた腕を下ろす。



カタン……。

手のひらからカッターが滑り落ちた。




「いてーとこ突きやがって……」


「不良はともかくこの子にまで本気になんなよな」


「あ?なんでだよ。そっちが先に俺を殺ろーとしたんだぜ?仕返しすんのに相手が男とか女とか関係ねーだろ」


「この子は一般人でお前は神雷のトップなんだから、ちょっとは手加減してやれって言ってんだよ!」




勇祐くんのお説教タイム。


その間にひつじくんがカッターを拾い、天兒さんを睨む璃汰の縄を切った。



「璃汰!」


「んん……っ、はぁ」



わたしがガムテープを剥がすと、紫色の唇があらわになる。



「璃汰ちゃん、大丈夫?」


「……ええ、平気よ」



続けて駆け寄った未來くんに返事をした途端、璃汰の体がフラつく。


即座に両肩を支えるが、璃汰は痛そうに眉根を寄せた。



「ご、ごめん!痛かった?」


「ちょっと、だけ……」