かわいい戦争



まろんちゃんが今リタをどう思ってるのかは知らない。


だけどカッターを出すまで、璃汰の顔を傷つけようとしなかった。



しなかったんじゃない。

できなかったんでしょ?



リタのことが大好きだったから。


大好きなアイドルの顔を傷つけたりできないよね。



「まろんちゃん、カッターを置いて?」


「ブスがあたしに命令しないで!!」



できるだけ優しく頼んだつもりだったけど逆効果だった。


癇癪を起こしたまろんちゃんは、ニヒルな顔つきをしかめる。



「あんたたちはかわいいあたしたちを羨むだけのくせに。……あ、まさかその見た目で自分もかわいいとでも思ってるの?」



あははっ!と高らかな憫笑。

引きつってるのはどうして?



「ばっかじゃない?ブスが出しゃばらないで。あんたなんかにあたしの気持ちがわかるわけないでしょ」


「そう……」


「海鈴ちゃんはかわいいよ」



……え?



そうだね、と。
わたしはかわいくないよ、と。

笑顔で肯定しようとした……のに。


なんで。


ねぇ、未來くん。



「君なんかよりずっとかわいい」



なんで未來くんが怖い顔して否定しちゃうの。