かわいい戦争



次第にカメラが落ちていく。


落下地点の方向には、まろんちゃんと璃汰がいる。



……あ、やばい。

あのままじゃ、たぶんまろんちゃんに直撃する。



「まろんちゃん!危ない!!」


「んんんっ!!」



璃汰も閉ざされた口で「危ない」と注意する。



けれど、まろんちゃんには届かない。

本当は届いているのかもしれないが、行動に移せない。



あれほど一方的すぎる戦闘……否、暴虐を目の当たりにしたんだ。


身も心も硬直して立ちすくんでしまうのも無理はない。



だけど……!



「まろんちゃん!!」



お願い!
避けて!!




――ガシャンッ!




衝撃が倉庫内に鳴り渡った。


数秒の静寂の中、目を見開く。




「……っ、」


「……り、リタ、せんぱ……?」



カメラが当たったのは

まろんちゃんではなく、璃汰だった。


縛られた体を無理に動かして、まろんちゃんを庇ったんだ。



肩に衝突したカメラは、地面に転がる。


いくつか破片が欠けていた。



「なんで……」



前方に崩れる璃汰をまろんちゃんが咄嗟に支えたものの、ガクガク震えたまろんちゃんの膝が曲がっていく。


とうとうコンクリートに膝をつけ、璃汰の汚れた服の裾を弱々しく握りしめた。