かわいい戦争



お、終わった……?


いや、まだだった。

天兒さんが笑ったままだもん。


うわわ、落ちてるこん棒を拾った!?


天兒さんが持つと鬼みたい。

何する気なの!?



嫌な予感しかしない。



――ドスッ!ドコッ!!



「いっ……!」

「っ、うぁ」



予感、的中。


ペットを飼育するように、不良たちの背中をこん棒で打ちつけ始めた。



い、痛そう……。



「いいねぇ。もっとイイ顔見せろよ」


「……正真正銘クズなサイコパスだな」



そう言う勇祐くんも敵を何度も殴ってるし、やってることは似たようなものだよ?


神雷1の暴れん坊って謳われるだけある。




「あーあ、利希がおもちゃ見つけちゃった~。かわいそー」


「あいつに喧嘩売ること自体、間違ってんだよ。史上最悪なあいつが、なんで俺らの総長やってると思ってんだ」


「クズなだけだったら、ついていかない」


「そーそー。あくまで俺たちはヤンキーだからね。やっぱ強さが大事なわけよ~」


「……リッキーは心も、拳も、強い」


「神雷で一番強ぇから総長やってんのに、不満だからって喧嘩売っても返り討ちに遭うに決まってんじゃねぇか」


「うちのリーダー、最()すぎるんだよねぇ。少し甚振っただけじゃ満足しないくらいには。生き地獄ってやつ~?」


「運が悪かったな。あいつに目ぇつけられたら最後、ただじゃ済まねぇぞ」


「もう、済んでない」