揃いも揃ってよそ見をしてる。
それでも横と後ろにも目がついてるように、不良たちを的確にやっつけている。
ああっ、でも待って!
天兒さんの死角から不良がこん棒を振りかざして……!
「あ、危な……!」
――ドゴッ!!
……振り、かざして、いたのに。
「命知らずのバカねぇ……」
「ッ、」
「いいじゃねーか。粋がってる雑魚ほどなぶり甲斐があるぜ」
カラン……と転がったこん棒の影に
不良の血反吐が、ポタリ。
一瞬だった。
こん棒が振り下ろされる前に、天兒さんの足がみぞおちを蹴り上げたのは。
「まだ倒れねぇよな?なあ?」
「ひっ……」
「かかってこいよ。お前も遊び足んねぇだろ?」
ヒュッと喉を締めた不良に、天兒さんは軽快に近づく。
「せ、性格ブス!」
制止をかけたのは、不良のお仲間。
過呼吸気味の仲間を庇うみたいに立ちはだかった。
「クズめ!」
「サディスト!」
「ナルシスト!」
「自己中ヤロー!」
1人、また1人。
天兒さんに対抗する敵が増えた。
「お前が最低だってことは噂でよく聞いてた」
「神雷の総長にお前なんかふさわしくねぇ!」
「お前みてぇなサイコパスが神雷を背負うな!!」
何、あれ。
どうなってるの?



