光が散ったのを見計らい瞼を上げる。


目の前には、縄で縛られた璃汰。

そのそばにまろんちゃんが佇んでいた。



「璃汰!!」


「んんっ、」



あ。

璃汰の口、ガムテープが貼られてる。


ガーリーな服は汚れが目立っていた。


不自然なくらい顔には傷がない。



「こんなに早くここにたどり着くなんて、さすがあの有名な神雷だ」



まろんちゃんの横に、一眼レフカメラを持ってる男性がいた。


30か40代くらいのラフな格好の彼には、覚えがある。



「あいつ、昨日の……!」



ひつじくんの呟きで思い出した。


昨日キャバクラで騒いでたお客さんの1人だ。


なんで彼がここにいるの?



「どうして車をどこかに捨てたり乗り換えたりせずに、わざわざ目的地を教えるみたいに倉庫の前に停車させたと思う?」


「まさか……!?」


「そう、お前らを誘うためだよ」



またカメラが光った。


薄暗いこの場じゃ、目が痛くて仕方ない。



「い、一体どういう……」


「もしかしてあなた、さっき電話したお友達さん?」



つぶらな碧眼がわたしを射抜いた。


どこにでもいるファンの1人としてここにいたら、素直に喜べたのに。




「……そう、だけど……」


「さっきはどうも。お友達さんもお仲間だったんですね」


「……わたしたちをここに誘ったって、どういう意味?」


「電話でも話しましたよね?あなた方がリタ先輩を連れ出したおかげで、簡単にリタ先輩を人質に取ることができました」


「ひ、ひと、じち?何を、言って……」