「で、どこにあったんだ」
『西の倉庫。えーと……5番の倉庫の前に停めてるみてぇだな』
「倉庫の中は?」
『中まではカメラ付けてねぇよ』
「……チッ、ポンコツだな」
『場所を突きとめてやったのにそれはねぇんじゃねぇのか?あぁ?』
現総長と元副総長のいがみ合いはやめてくださいー!
こっちが流れ弾で瀕死になる恐れがあるので!!
『見つかってよかったじゃん』
幸珀さん!救世主!
話題が逸れた!!
「まあ、そーっすね」
『今からそこに行くんでしょ?』
「はい」
『わたしたちも手伝おうか?緊急事態なんでしょ?』
やっぱり勘づいていたんだ。
ほんの1秒。
沈黙を意外にも侍らせておいて、天兒さんは不敵な笑みを漏らした。
「いや、いいっす。俺らで事足りるんで」
『そ?なら健闘を祈っとくよ』
どちらも返答があっさりしていて拍子抜けしてしまう。
悩む余地も心配も要らないんだ。
信じてるから。
きっと幸珀さんは最初から、そう答えられるのを知っていたのではないだろうか。
『海鈴ちゃん』
「はい?」
『またラーメン食べに行くね』
「はっ、はい!お待ちしております!!剛さんも、調べてくださってありがとうございました。またお店にいらしてください!」
『おう、また行く』