「イチャついてんじゃねぇよ!今この状況わかってんだろ!?」
「ご、ごめんなさい……」
「ごっめ~ん」
「未來は謝る気ねぇだろ。つーかイチャついてたこと自体否定しろっつの!!」
「あっ!い、イチャついてません!」
「ませ~ん」
「もう遅ぇよ!!」
勇祐くん、いつも以上にキレ具合が鋭い……。
「ゆうたん、落ち着いた?」
「あ、ああ……」
はあはあ……と肩を上下させる勇祐くんを、ひつじくんがよしよしと鎮める。
勇祐くんが冷静になったところで、お互いに話し合って状況を整理した。
まとめると、わたしが囮になってる間に皆は裏側からベランダに侵入して璃汰を助け出せたが、アパートを離れたところで例の車に璃汰だけ攫われてしまったらしい。
そしてわたしに璃汰からSOSの連絡があった、と。
「『オンナノコ*ソルジャー』のファンとしては考えたくないけど、まろんちゃんが犯人っぽくて……」
「……あのガキか」
ギチギチ、と皮膚を引き裂かれた痛覚に襲われた。
……違う、痛覚じゃない。
生々しい殺気だ。
今までのソレとは比べものにならないくらい殺伐としてる。
殺気を感じるほうに恐る恐る向けば、左手の甲に刻まれた羽のタトゥーを捉えた。
さらに視線を上げていく。
「ぶっ殺す」
天兒さんが、嗤う。
左の指を折り曲げ、ボキボキ指を鳴らしながら、殺気を放り散らかして。



