かわいい戦争




「海鈴ちゃんは優しいよ。俺よりもずっとずっと、優しすぎるくらい優しい」


「ほ、褒めすぎだよ!」



昨日の仕返しのつもり!?

照れちゃうよ……。



「海鈴ちゃんのおかげで、呪いが呪いじゃなくなったんだ」



いやちょっと違うな、と小声で訂正し、甘く微笑む。



「今、かわいいって思うのは――」




プルルル、プルルル。




ドキドキ脈打つ鼓動が、違う意味でドキッ!と跳ねた。


未來くんのスマホの着信音だ。



「――勇祐からだ。ごめん、ちょっと出るね~」


「あ……う、うん!」



手の温もりが、消える。


わたしに背を向けて電話に出た未來くんを横目に、今度は自分で自分の手を握り締めた。



『今、かわいいって思うのは――』



もし着信音に遮られなかったら
なんて伝えようとしたのかな。



心臓がうるさい。


顔もたぶん真っ赤だろうな。



自惚れちゃいけない。

いけない、のに。


わたしの望む言葉だったらいいな、って性懲りもなく想ってしまうよ。




「え!?」



突然声を上げた未來くんにビクッとなる。


様子が変だ。

何かあったのだろうか。