でもマイペースな天兒さんのおかげで、恐怖心が小さくなった。
竦んでいた体も大丈夫。
ちゃんといつも通り動かせる。
「これから、どうするの?」
ひつじくんの問いかけに、皆の視線がわたしに移る。
家を出たときは作戦という作戦がなかったけど、神雷という強力な助っ人がいるなら話は別。
「わたしが囮になってマスコミの注意を引くので、その隙に……」
「また1人で無茶する気~!?」
未来くんが不安そうに瞳を揺らす。
そういえば昨日のキャバクラ潜入も、最初は単独で行おうと考えていた。
そのとき一番に心配してくれたのも、未來くんだったね。
「1人じゃないよ。皆がいる。だからわたしがリタに扮して逃げてる隙に、皆に璃汰を託せるの」
「海鈴ちゃん……」
わたし以上に囮に最適な人いないでしょ?
なんて冗談っぽく一笑してみせる。
「お願い。皆で璃汰を助け出して」
ひとりじゃないのは、わたしも璃汰もおんなじ。
頼れる仲間が、友達が、こんなにいる。
皆だから任せられるんだよ。
まつ毛を伏せた未來くんの代わりに、勇祐くんが「わかった!」と明るく同意してくれた。
「璃汰の家は201号室で階段上がってすぐのところだけど、マスコミの人たち全員の注意をわたしに向けられるかはわからないから、階段上がるときは少し慎重に。音にも気をつけてください」
「なら裏から行きゃいいじゃねーか」
天兒さんの提案に他の3人はうんうんと頷く。



