かわいい戦争



顔中、耳も、あっつい。

たぶん……絶対真っ赤になってる。



何でもないように撫でないでほしい!


こっちは撫でられる度に心臓がポンコツになるのに!



だけど赤面はマスクで隠れて……って、しまった!

ラーメン食べてたから下げたまんまだった!!



すぐさまマスクを鼻まで覆う。


今更だよねこれ。

照れてるのバレちゃってるよ。恥ずかしい!



「……かわいいって、思ってるんだけどな」



するり、頭から頬へ滑り落ちた、大きな手。


小指が首元のチョーカーにわずかに触れて、鈴を揺らす。



えっ、この手は何!?

かわいいって言った!?


これ一体どういう状況!?



鼓動が壊れるんじゃないかってくらい高鳴りすぎて、一周回って硬直してしまう。


マスクの上からでも熱が伝染しそう。



おずおずと視線だけ持ち上げていけば。



未來くんは感情がごっそり抜け落ちた顔で、涙袋を震わせていた。




……ひょっとして未來くんも?



未來くんも、強がってる?


璃汰みたいに人前で泣くのを我慢してるの?



我慢しないで。


“誰でも”は難しくても

“誰か”のそばでは強がらないで。



願わくば、その“誰か”になりたいの。