どうしたもんかと考えてるうちに繁華街を過ぎ去り、人気の少ない西の方角へ移動していた。
あれ?
こっちの方向って、確か……。
嫌な予感がするわたしとは裏腹に、2人は迷いなく閑散とした道を突き進んでいく。
えっ、えっ。
そんなあっさり行っちゃうの?
だって、この先は――。
「やっぱり……」
たどり着いた先は、街はずれにある、大きな洋館。
外装は古びてる割に、豪華な装飾が施されている。
幽霊が出てきそうな物々しさと華やかで立派な建物のミスマッチ具合は、いつ見ても不釣り合いで、おかしい。
そう、いつ見ても。
わたしは何度かここに来たことがある。
「もしかしてとは思ってたけど……まさか本当にここが目的地だったとは……」
「なにブツブツ言ってんだ?早く入れよ。そこに突っ立ってたら邪魔だ」
言葉を選ぶ気もない高身長の男の子は、ノックのひとつもなく、ゴージャスな扉を軽々しく開けた。
「いつもごめんな。あいつちょっと……いや、すんげぇ性格悪いから、何か言われてもそういう奴なんだって流せよ?」
「あ、は、はい……」
あ、しまった。
低身長の男の子が申し訳なさそうに詫びるから、つい返事しちゃった。



