かわいい戦争



その瞳から逃げるようにリンカさんは思わず目を逸らした。



「……ほら」



そうなるのが始めからわかってたみたいに、璃汰は嗤う。




「あたしを見る度にそうやって目を逸らして、こっちを見ようとしない。見たくないんでしょ。あたしなんかいなくなればいいって思ってたんでしょ。あたしを見たら、自分の犯した過ちを思い出すから」


「……っ」


「……否定しないってことは、そういうことじゃない」


「ちが……!」


「何が大事な娘よ。口先だけの薄っぺらい言葉なんか耳障りなだけだわ」




……あ。

璃汰の手。


拳を力いっぱい握り締めすぎてる。


これじゃあ爪が食い込んで痛いよ。



そうっと優しく拳を開いていく。



あぁやっぱり、爪痕がくっきり残ってる。


手のひらまで痛めちゃダメだよ。




「あたしの存在が辛くて、苦しいから、必要なお金だけ払ってあたしを見捨ててたのよね?あたしが不幸になろうがどうでもよかったのよね?」


「……がう」


「そんなに邪魔なら、あたしを産まなければよかったのに。どうせあたしはあんたの最低な罪によってできた、産まれてはいけない子なんだから」


「……違う。違うわ。あなたがどう思おうと、あなたはわたしの大事な娘よ」


「またそれ?もう聞き飽きたわ」


「何度だって言うわ!」