かわいい戦争




確かにかっこいいけど……怖いよ?

なのにあんなモテるの?



かわいいだけじゃなく


かっこいいも正義なのだろうか。




「んじゃ、帰るか」



一眼レフカメラを自分の物にできてご満悦なのか、先ほどと打って変わって幸せな笑みをこぼす。


お、帰るのか。

それじゃあわたしもようやく解放され……



「そうだな。ほら、行くぞ」


「……へ?」



行くぞって、どこへ!?


歩き出した高身長の男の子のあとを追うように、低身長の男の子がわたしの手首を掴んだまま進み始めた。



「あ、あの……!」


「そいつも連れてくんのかよ」



振り返った高身長の男の子が、訝し気にわたしを一瞥する。


そ、そうだよね!
やっぱ連れて行くの嫌だよね!

反対してくれてありがとう、名前の知らない人!!



「そりゃそうだろ。ストーカーのいるところに放置していくわけにはいかねぇよ。お前だって心配だろ」


「別にどっちでも。一眼レフカメラをタダでゲットできたし」


「こいつよりもカメラかよ。ブレねぇな」



あれ、あれれ?

このまま連れてかれる感じ?


もっと反対してくれよ、性格の悪そうな男の子!!