「おい!利希も働け!」
「あ、天兒さんもいるの!?」
「……チッ」
あ、ほんとだ。入口付近に天兒さんが立ってる。
あそこでずっと傍観していたようだ。
3人とも黒の蝶ネクタイに黒のベストを着て、ウェイターに扮してる。
3人もここにいたなんて全然気づかなかった。
神雷の潜入技術がすごいのか、このお店のセキュリティーが甘いのか。
たぶん前者なんだろうな。
「こいつら外に追い出すぞ」
「ネタバレ早すぎだろ。ありえねー。もしかしたらこれからもっといい展開に……」
「なんねぇから!!」
勇祐くんに急かされ、天兒さんは渋々龍司という男性を肩に担ぐ。
もう1人の沖田という男性は勇祐くんが軽々と運んでいった。
男性客は何かわーわー騒いで抵抗していたようだが、問答無用でお店の外に投げられていた。
平和になった店内。
リンカさんが元々接待していたお客さんが立ち上がって手を叩くと、1人また1人と拍手喝采する。
そしてあっという間に拍手で満ちた。
「ありがとう!」
「よく言った!」
「助かったわ!」
「すっきりしたよ!」
従業員も他のお客さんも不愉快だったようで、四方八方から感謝と褒め称える声が相次ぐ。
あったかいお店だなぁ。
「ま、当然だろ」
「利希は何もしてねぇだろ」
「あの程度の雑魚、俺が相手してやるわけねーじゃん。クソ雑魚の末路は見てて楽しかったけどな」
「……クソなのは利希も変わんねぇよ」
「まあまあ、一件落着したんだしい~じゃんか、こいつがクソなことはさ」
「未來もはっきりばっちりおっしゃってますけどそれはいいんですかね」
「てめーらのせいでモブどもの歓声が聞こえねぇよ。黙れ」
「うん、ツッコミどころ満載だな!」
はあぁぁ~!とわざとらしく勇祐くんがため息をつく。
今日も今日とてツッコミ役お疲れ様。



