わたしが璃汰のためにしてあげられること。
できること。
やらなくちゃ。できるだけ早く。
『やるならさっさとやったほうがいいに決まってんだろ』
あぁ、天兒さんの言う通りだった。
「そういえばさっき、璃汰の事情聞いたよ」
わたしが洋館を訪れる前だろうか。
事情知らなきゃ、ちんぷんかんぷんだもんね。
「誤解でも本当でもさ、あいつを一番元気にできるのは海鈴だと思うぜ?」
「え……」
「んじゃっ、衣装選び頑張れよ!」
励ますみたいに破顔すると、勇祐くんは部屋から去っていった。
バタン。
扉が閉まったと同時に、涙腺が緩む。
……どうしよ、泣きそうだ。
最後の最後でその言葉は卑怯だよ。
ダメ、涙ひっこめ。
今泣いたら、メイク取れちゃう。
一番かはわからないけど、璃汰のこと元気にしたいよ。
笑顔にさせたい。
「……頑張らなきゃ」
ううん、頑張るんだ!
「カイリー、泣きそう。大丈夫?」
「だいじょ……ひ、ひつじくん!?」
皆出て行ったと思ったのに、ひつじくん残ってたの!?
気づかなかった……。
ひょっとしてわたし、鈍い?



