かわいい戦争







「す、すごい……」



きらびやかな部屋の中。

何着もの衣装で埋め尽くされてる。


大きなクローゼットみたい。
これが噂の衣装部屋ってやつか。



ここには白衣やコック服が。こっちにはシルバーのスーツとビンテージの革ジャン。あっちには迷彩服にメイド服、特攻服まである。



「わあ……すごい、すごいなあ」


「さっきから『すごい』しか言ってねぇよ?」



ここにいる唯一のブレザー姿の勇祐くんに一笑され、照れながらも一旦落ち着こうとする。


だってだって!
本当にすごいんだもん!!

たくさんの衣装に取り囲まれたの初めてで、自然とテンション上がっちゃうよ。



「洋館の2階にこんな部屋があったなんて……」


「族のたまり場にあるのは珍しいかもな」


「この部屋以外にも、遊戯室や看護室、調理室も完備してるしね~」



勇祐くんと未來くんは「あと他には……」とまだまだ説明しようとしてくれてる。



生活するのに困らないレベルをはるかに凌駕してる。


そんな洋館をたまり場にしてる神雷って一体……。




「す、すごすぎる……!」


「ふふん、そうだろ、すげーだろ。お前、わかってんじゃねーか」


「念のため言っておくけど、すごいのは洋館であって利希じゃねぇからな?」


「俺の所有物がすげーのは当然だろ」


「当然かどうかは知らねぇけどさ、百歩譲ってそうだとして、だから利希もすごいってことにはなんねぇよ?」


「あ?なんでだよ。俺の物がすげーなら、俺もすげーってことだろうが。つーか、俺がすげーんだから、たまり場もそうでなきゃおかしいだろ」


「めちゃくちゃな理屈だな。どうやったらそういう考えになるんだよ。利希がすげーのはその頭のおかしさだけだからな?」