かわいい戦争




そもそも着こなせるかな。


ざっくり胸元が空いたやつとか、超ミニとか、わたしには難しい。

毎日マスクとスカジャンで体型をごまかしてるのに!




「ならウチの使えよ。特別に許可してやる」


「ウチのって……?」


「たまり場に数え切れないくらい衣装があるんだよ~。確かドレスもあった気がする」


「ドレスも!?なんであるの!?」


「潜入とかよくするからねぇ。あ、俺たちがドレス着たりはしないよ?」




あ、もしかして、情報を集めたり調べたりする際にどこかに潜入捜査することがあるのだろうか。


常連のお客さんが前に女の子のメンバーもいたって話してたし、ドレスがあるのもおかしくはない。




「じ、じゃあお言葉に甘えて貸してもらおうかな」


「なら放課後たまり場来いよ」


「……へ?そ、それって今日の放課後、ですか?」


「あたりめーだ。やるならさっさとやったほうがいいに決まってんだろ」




確かに善は急げ、思い立ったが吉日って言うけど。


天兒さん、絶対早く面白いものが見たいだけだ。

楽しみなことを最後までとっておけないタイプだ。



いくらなんでも今日はさすがに無謀すぎじゃない?


お店の手伝いもしたいし、計画も作戦も立ててない。



「今日じゃなくてせめて明日……」



――キーンコーンカーンコーン。



「じゃあ放課後。すぐ来いよ」



タイミング悪く昼休み終了のチャイムに割り込まれたのが運の尽き。


あの天兒さんがわたしの話を聞き返してくれるわけもなく、既に決定事項にされてしまった。




空っぽのスープジャー。

わたしの分のお弁当は一切減ってない。



昼休みは、短すぎる。