かわいい戦争



てっきり璃汰が打ち明けたか、神雷の情報網で調べ上げたかしてると思い込んでた。


神雷の情報力はすごいって、噂で聞いてたし。



「ライライとリッキーは、知ってた?」


「いや……初めて知った」


「あいつの家庭事情なんかキョーミねぇしな」



「なかった」ではなく「ねぇ」と現在進行形で断言した天兒さんだけは、表情筋をピクリとも動かすことなく

スープジャーを逆さにして、最後の1滴まで飲み干していた。



反対に、未來くんは

締まりのなかった唇をぎゅっときつく引き結び、俯く。


ピンクパープルに染まる前髪の隙間から、今まで見たことのない険しい顔つきが覗いて見えた。



「他人の家に首つっこんでも何も面白くねーよ。めんどくせーだけだ」


「でも……」


「利希の言う通りだよ」



未來くんが天兒さんに賛同したのが、正直意外だった。


さっきまで柔らかかった笑みは、どこにもない。



「世の中にはいろんな家族の在り方がある。子どもを愛してない親もいるし、親を愛してない子どももいる。それを外野がどうにかしようなんて不可能だよ」



ギギギ、と上げられた口角は、ひどく不格好で。

無理してるのを隠せてない。



どうして未來くんが泣きそうなの?