二ヒヒ、と自信ありげに笑みをこぼす。
首を傾げるひつじくんに、カバンに入ってた物の1つであるスープジャーをもったいぶらせながら開けてみせた。
「じゃーん!」
スープジャーの中は、あっつあつの味噌スープ。
蓋を開けた瞬間、出来立てほやほやかのごとく湯気がわっとあふれ返る。
最近のスープジャーは機能性が高くて、保温もばっちりしてくれるから、スープの温度も保ってくれるんだ。
「スープ……だけ、だよ?」
「さすがにここに麺を入れちゃうと、すぐ伸びちゃうから。麺は今入れるの」
「今?」
お父さんに無理を言って、調理場を少しだけ貸してもらい、お弁当用の麺を作ってきた。
均等に切った麺はラップに包んだ状態でタッパーに入れてきたから、あとはここで茹でるだけ。
もう1つのスープジャーにたっぷり入れた高温のお湯の中に、何度か分けて麺を投入した。
あくまでこの方法は裏技中の裏技で、味やクオリティーはどうしても落ちてしまう。
本当はお店で食べたほうが何倍も美味しい。
だけど、たとえ嫌がらせでもウチの店をリピートしてくれるのは、やっぱり嬉しいから。
期待も何もしてないんだろうけど、応えたい。
これはわたしなりのプライド……かも。



