「クッ……ククッ」
沈黙に耐えきれなくなったとき。
天兒さんの喉仏が大きく揺れた。
「クッ……ひゃっひゃっ!」
抑え込んでた笑い声が、空中を伝う。
今日も調子は良さそうですね。
「ほんとに出前しに来やがった!」
「出前?利希が頼んだん~?」
「……まさかリッキー、カイリーに迷惑かけたんじゃないの?」
「ちげーよ。俺はただ今朝微妙な時間に起きちまったから、暇つぶしに出前を依頼してやっただけだ。店に貢献してやったんだ。ありがたく思えよ?」
「それって開店前に依頼したってこと?」
「ありがた迷惑じゃね~?」
そうです。それです。
ありがたくない迷惑です。
特別に依頼を引き受けてあげたんだから、ありがたく思ってほしいのはこっちだよ!
「お、お代いただきますね」
「おらよ」
渡し方が雑!
まあ、ぴったりだし、もらえただけでよしとするか。
「んな突っ立ってないでさ、こっち座んなよ~」
「お、お邪魔します……」
未來くんがスペースを空けてくれたところに、恐縮しつつも腰を下ろす。
持ってきたカバンの中身を全て取り出した。
「出前ってことは、注文品を持ってきたんだよね~?利希は何頼んだん~?」
「定番の味噌ラーメン」
「そこは醤油じゃねーの」
「は?味噌だろ」
「どうやって、ラーメンを?カイリー、今学校来たの?」
「ううん、ちゃんと朝から登校したよ」
「じゃあ麺、伸びちゃってる?」
「その心配も無用!」



