わたしのお弁当と依頼された分が入ったカバンを持って、教室を出た。
朝の電話では、届け先は具体的には学校の屋上という指示があったらしい。
学校の屋上か……。
まだ行ったことがないから、緊張する。
階段を上がっていき、屋上に続く扉の前までたどり着いた。
固そうな扉。
鍵穴は無理にこじ開けられた形跡があり、若干おんぼろ。
先週洋館に出前を届けに行った日と比べたら、全然平気。
リラックスできてるほうだ。
「わ、わたしだって、やればできるんだから」
そう、わたしはできる子!
いつも嫌がらせにやられっぱなしじゃない!
自分自身を元気づける。もはや自己暗示だ。
深呼吸をして扉を開けた。
「ま、まいど!素野真汰の店でひゅっ!」
……うわあああ!
思い切って入ったのに、思い切り噛んじゃった!!
失敗したああ~!!
快晴の空の下には、天兒さんと未來くんとひつじくんの3人以外、生徒はいなくて。
今まで何か喋ってたのに、わたしを見た途端しーん……と静まり返った。
今わたしの顔色が赤いのか青いのか、自分でもわからないくらいには焦りまくってる。
いっそ笑ってください……!



