首を横に振れば、あっさりと教えてくれた。
「元の顔に何の未練もなかったから、どうせなら綺麗に形変えて、俺をいじめてた奴に一泡吹かせてやりたかったんだ。一番の問題は金だったけど、家族に相談したらじいちゃんが全額出してくれた。まじでじいちゃんには感謝しかねぇよ。これから祖父孝行頑張らねぇと」
「ゆうたんのおじいちゃんは、桜彩学園の理事長なんだよ」
ひつじくんにこそっと耳打ちされた言葉に、驚きを隠せない。
り、り、理事長!?
璃汰と勇祐くんが通ってる、桜彩学園の!?
理事長の孫が暴走族の幹部をやってても問題はないのかな。そのふたつって、どう考えても相容れない立場だし!
「無事に整形もうまくいって、いい感じの顔になったんだけど、今度は整形をネタにいじめてきやがってさ。あぁこいつらって単に俺をいじめてぇんだ、って悟ってからは、力をつけて見返すしかねぇって思った。だから神雷に入ったんだ」
ニッと細められた、澄んだ眼。
そこには後悔なんかない。
どこまでも真っ直ぐで、純粋そのもの。
「わたしも嫌だよ、見た目を貶されるの」
ブスだ。整形した。メイク詐欺だ。気持ち悪い。騙された。
そうやって外見をいじって、何が楽しいんだろうね。
「“かわいい”しか正義がないなら、そうなるしか術がないじゃんか」
“かわいい”は正義。
じゃあ、“かわいい”を作ったら、それも正義にしてくれるの?
否。
その正義は、まがい物。
軽くつついただけで簡単に壊れてしまう。



