かわいい戦争



誰も止めないなら、わたしが止めなくちゃ。


ためらいがちに飛び出そうとするが、ひつじくんが前に立ちふさがる。



「ダメ、危ない」


「でも……!」


「ゆうたんは、神雷で一番の暴れん坊だから。近づいたら、カイリーが傷ついちゃう」



どうして止めるの。

どうして傷を増やすの。


……どうして。



「……どうして……」


「どうしてあいつがあそこまで暴れるのかって?」



思考を読み取られ、衝動的に隣に顔を向ける。


未來くんがわたしを横目に、やるせなく微笑んでいた。



「あいつさ~、整形してんの」


「えええっ!?」


「びっくりだろ~?」



びっくりするよ。

しすぎて、頭が真っ白だよ。


勇祐くんが、整形?


見た目のいい男の子が4人もそろっているせいか、どうも「整形」の単語は馴染まない。



「俺も最初聞いたときびっくりよ。だって整形だよ?まだ16で、金だって安くね〜のにさ〜。……でもワケを聞いて、納得した」


「ワケって……?」


「あいつ、整形前はすげーブスで、クラスメイトに散々いじめられてたんだって~。それが嫌で整形したらしいよ」



目先で力の差を見せつける勇祐くんからは想像もつかない。


わたしは強い勇祐くんしか知らないから。



「俺、整形のことあんまよく知らねーけど、あんなの見た目変えるための一種の方法でしかないじゃん?変わること自体に相当な覚悟が要ると思うんだよねぇ。きっとあいつなりに悩んで決心したって考えるとさ……なんか、すげーかっけーって思わね~?」



金色の瞳に、勇祐くんを淡く描く。


その眼差しはまるで、優しいお兄ちゃんみたい。