かわいい戦争




「やっぱリタちゃん最高!」

「ドレス姿、まじやばかった!かわいすぎ!」

「ソロデビューとか天才」

「ぶっちゃけ今日もソロライブでよかったよな」



過激派なファンは、シルエットの看板の前でたむろしていた。


満足げに談笑してる反面、『オンナノコ*ソルジャー』を見下しているのが容易に汲み取れた。



汲み取れてしまったのが、辛かった。




「リタちゃんだけ明らかに別格すぎて笑った」

「かわいいの権化(ゴンゲ)

「演出はよかったけど、他のメンバー必要だったか?」

「いらないいらない!」

「リタちゃんの隣にいた子、可哀相だったよな。自分のブスさが目立っちゃって」

「あはは!確かにな!」




まだ『オンナノコ*ソルジャー』を否定するの?


それはリタの今までを否定するも同然なのに。




「いい引き立て役だったな」

「いなくてもいい引き立て役な」

「リタちゃん1人のほうが何倍もよかった」

「ほんとそれ。ソロライブのが絶対いい!」




急に体が震えた。


悪寒に似た感覚に両腕をさする。



すると不意に、勇祐くんが私の横を通り過ぎていった。


一瞬見えた勇祐くんの横顔は、ひどく熱く、殺伐としていた。



「勇祐くん……?」



迷うことなく過激派なファンのところへ突き進んでいく。