◇
「…………」
「おい、こいつ大丈夫か?」
「抜け殻みたいになっちゃってるね~」
「……うん」
「あ、ここにも抜け殻がいるぜ?」
ライブが終わり、会場を出ても、余韻が抜けない。
一時はどうなることかと心配したけど、人気曲の『ハピネスデー』がかかってからは何ごともなかったようにライブを楽しめた。
それに何といっても最後!
エンディング!!
オープニングの映像でも映っていた、ピンク色のドレスでリタが登場したときは卒倒しそうだった……。
しかもリタのソロ付き。
あれはもう神がかってた。
「最高にかわいかったなぁ、リタ……」
思わず泣いちゃったもん。
メイク、ウォータープルーフにして正解だった。
「まあまあだったな」
「なっ!」
「あ?抜け殻状態は終わったのか?」
人が浸ってるときに水を差すなんて!
それに、まあまあだって!?
天兒さんに反抗してやりたくても、できないのが小心者である所以。
天兒さんの目力に秒殺でした。
「素直になれよ。最高だったろ?」
「だからまあまあだっつってんだろ。ただ途中のいざこざは最高だったけどな」
「そこはむしろ最悪だったろ」
ダメだこいつ、と勇祐くんは項垂れる。



