わたしやひつじくんだけでなく、周りもざわついてるってことは、きっとよくあることじゃないんだ。
リタの話を2回も遮った挙句に、『オンナノコ*ソルジャー』としてのライブを全否定するなんて。
こっちまで嫌な気分になってくる。
わたしでさえこんな気持ちなんだから、リタはどれだけ苦しいだろう。
「人の話も最後まで聞けねぇのか」
「ほんとにな、最近多いよな、話を最後まで聞かない奴。聞いてもくれない奴もな!」
「そんな奴もいんのか。どうなってんだよ、最近の奴は」
「こっちが知りてぇよ」
勇祐くんの皮肉は、天兒さんには通じない。
ニヤリと含み笑いする天兒さんは、ここに来て初めて、わたしの素顔を知ったときのような意地の悪い期待を滲ませていた。
「リタちゃん大好きいいいい!」
「リタちゃんの歌が聴きたいいいい!」
「りーたーちゃーんー!!」
声が、多くなった。
しかも同じ方向。
過激派なリタのファンが一か所に固まってるんだ。
「リタちゃんだけでいいよー!」
「他はいらなーい!」
「ブスは引っ込んでろー!」
――キィ……ン。
甲高いノイズが、聴覚を刺す。
ステージ上では、リタがマイクを滑らせてしまうほど動揺していた。



