「1つでいいの?」
「2パックくらい買おうよ」
「そんな食う?」
「意外と使うんだよ、人数多いし」
「だって、たこ焼きの他にも色々あんのに。そんな食えんの?」
「食べられるよ〜、私の胃袋なめない方がいいよ」
「絶対無理だろ」みたいな顔で私を見る佐倉に、勢い余ってドヤ顔したのはいいけど
すごい食い意地張ってるみたいになって、すぐ後悔した。
もっと少食アピールした方が良かったかな。
いや、別に佐倉に食い意地張ってるって思われたって別にいいんだけど……。
「フッ、普通女子って少食ぶらねぇ?なんだよ、胃袋なめない方がいいって」
私の持ってるカゴにタコを2パック入れながら、最後の方はククッと笑いを咬み殺すようにして佐倉が珍しくツボにハマってる。
余計、恥ずかしさに襲われるから改めて言うのやめて欲しい。
「もう……!ほら、お菓子見に行こう!」
そんな佐倉にクルッと背中を向けて、赤くなってるであろう頬を隠せば
「持つ」
私の手からフワリとカゴを奪った佐倉が私より先を歩いていく。
……ダメだ、意識しないようにしようって思ってるのに。佐倉の不意打ちに、いちいち心臓がうるさい。


