もう、我慢すんのやめた


「……宮田がすげぇ笑うんだもん、まじ最悪」

「だってあれ傑作すぎ!ケツに画鋲が刺さったあとのハルミチの顔!今思い出しても笑える!」


……薄明かりの中、宮田くんが声を殺しながら笑っているのを見て男子って、本当に幼稚だな〜って思う。


でも、だからこそ一緒にいると
女子だけの時とは違った面白さがあって

私は嫌いじゃないんだけど。


「んじゃ、そろそろ始めるか!とりあえず2つのチームに別れようぜ」


テツの声に、みんなが自然と片手を出す。
グーとパーで別れる"あれ"をやるためだ。


だけど、


「お〜い、この部屋まだ起きてんのか〜?」


突然、部屋の外から聞こえてきたハルミチの声。


続けてコンコンッとノックが響いた。


心臓がドクンッと音を立てて
みるみる身体が緊張していく。


「やべ……!ハルミチだ」

「とにかくお前ら隠れろ!」


聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で発されたテツの言葉に、


萌菜は近くにあった布団に、隣にいた紗蘭ちゃんの腕を引いて潜った。


相変わらず、俊敏性に優れすぎじゃない?
なんて思ってるうちに


「入るぞ〜」


やばい。
完全に出遅れた。