もう、我慢すんのやめた


フリータイムの時、普段の行いが悪いせいで、先生から雑用を頼まれた菅野くんと宮田くんは

昼に海で遊べなかったのが災いしてか、すっかり夜のテンションって感じ。


「そう言えば、なんで菅野くんたち昼に先生から雑用頼まれてたの?」

「……あー、バスの座席」

「バスの座席?」

「先生が乗るって決まってた席に、バレないように画鋲を仕掛けたのがバレてさ」


……画鋲って。
また、陰湿なことを。


「いや、きっとハルミチのことだから、笑ってくれると思ったんだけどなぁ」

「絶対反応しないって決めてたのに、ハルミチが痛がって飛び跳ねるとこ見たら、つい吹き出しちまって……」


ハルミチというのは私たちの担任で、そのまま本名の春道から、みんな親しみを込めてハルミチって呼んでいる。


人柄は良いけれど、ちょっと抜けてるところがあって、生徒たちからは良い意味で遊ばれている。


そう、今回の菅野くんたちみたいに。

おかげでいつも学校中からハルミチの怒声が響き渡ってるっけ。


「それで、ハルミチに菅野たちが仕掛けたことバレたんだ?」

「ま、そうゆうこと」


萌菜の呆れた声に、宮田くんはケロッと答えた。