もう、我慢すんのやめた



***


夜。

みんなでご飯を食べて、こじんまりとした大浴場で時間に追われながら裸の付き合い。


紗蘭ちゃんは、終始恥ずかしがってたけど
萌菜は嘘でも隠す素振りすら見せなかった。


あぁ、性格でるな。
なんて思いながら、私は2人の中間くらい。

さすがにずっと隠してるのは無理があるし
潔さが大事だって、途中で諦めた。


そんで、湯船に浸かった萌菜が
意気揚々と話し出したのは……。

"テツたちの部屋で枕投げすることになってるから"


っていう、言ってしまえば決定事項の連絡。
……絶対、そうなると思ってた。


でも、もっと驚いたのは、"テツが好きだから取らないで"と、遠回しに紗蘭ちゃんを牽制した萌菜に


"私、飯田くんのことが……"


なんて、言いだした紗蘭ちゃん。
……飯田だけに。


飯田くんは残念なことに別の班だから
今回の臨海研修で……とはいかないけど

引っ込み思案な紗蘭ちゃんに代わって


私たちがいつかチャンスを作ってあげるからね!って話しながらお風呂を出た。