もう、我慢すんのやめた



なんだよ。
……ちょっと、佐倉の中で良い意味で特別なポジションに置いてもらってる?とか思ってた自分。


めっちゃ恥ずかしくない?


あ、もちろん。友達として。
そこはもちろんそうなんだけど……。


他の"女子"よりも、近い所まで来てるってよりは
そもそも"女子"と思われてないってことでしょ。


なんだろう、正直少し凹む。


「……ガツガツ来られんの苦手なのに、松永は不思議と話せる」


自分の髪の毛グシャグシャってしながら
不機嫌なような、ただ照れてるだけのような


分かりやすくて、分かりにくいような佐倉。


「っ、え……!今、なんて言った?」

「だから、女って感じがしないから話せるって」

「ちがう!そこじゃなくて」

「……やっぱ、松永もめんどくせぇ」

「……!!」



松永、だって。
いつも"お前"だったくせに。


ちゃんと名前、覚えてくてるじゃん。
こんなことで一喜一憂するなんて、本当にどうした?って感じだけど。


「なんだ、佐倉のお気に入りはやっぱり芽唯か」

「は?お気に入りとかじゃねぇし」

「照れんな、照れんな」


テツの冷やかしにうんっと顔をしかめる佐倉。