***
"考えとく"
たったそれだけのことを、妙に嬉しいなんて思ったりしながら
佐倉と並んで砂浜に戻った。
もうすぐ夏休みだねとか
夏休み前、最後の砦であるテストが嫌だとか
少しずつ佐倉がクラスに馴染んできたとか
だけどやっぱり女性恐怖症は相変わらずだねとか
そんな話を一方的に繰り出す私に、
佐倉は3回に1回くらいの頻度で答えてくれた。
どれも無愛想で、ぶっきらぼうな言葉。
短くて、単語単語でぶつりと切れる、カタコトな返事。
「ちょっとー!芽唯ってば、どこ行ったかと思えば佐倉と2人で何してたのよ」
もう着替えまで済ませたらしい萌菜が、私たちを見つけるなり大声を出す。
その言葉に、周りの視線が一気に私と佐倉に集まった。
カァッと頬が熱を持っていく。
「ちょ、ちょっと!誤解を招く言い方やめてよね」
「だって、2人きりだったんでしょ?ラブの1つや2つあってもよくない?」
「バカ言わないで。女性恐怖症の佐倉と2人になったって、何も起こらないよ」
「……えー、つまんない」
なんて。本当につまんなそうに呟く萌菜。
"考えとく"
たったそれだけのことを、妙に嬉しいなんて思ったりしながら
佐倉と並んで砂浜に戻った。
もうすぐ夏休みだねとか
夏休み前、最後の砦であるテストが嫌だとか
少しずつ佐倉がクラスに馴染んできたとか
だけどやっぱり女性恐怖症は相変わらずだねとか
そんな話を一方的に繰り出す私に、
佐倉は3回に1回くらいの頻度で答えてくれた。
どれも無愛想で、ぶっきらぼうな言葉。
短くて、単語単語でぶつりと切れる、カタコトな返事。
「ちょっとー!芽唯ってば、どこ行ったかと思えば佐倉と2人で何してたのよ」
もう着替えまで済ませたらしい萌菜が、私たちを見つけるなり大声を出す。
その言葉に、周りの視線が一気に私と佐倉に集まった。
カァッと頬が熱を持っていく。
「ちょ、ちょっと!誤解を招く言い方やめてよね」
「だって、2人きりだったんでしょ?ラブの1つや2つあってもよくない?」
「バカ言わないで。女性恐怖症の佐倉と2人になったって、何も起こらないよ」
「……えー、つまんない」
なんて。本当につまんなそうに呟く萌菜。


