コンコン。

「ノエリ、入るよ」

 ジックニーがやって来た。


 1年たって、とっても凛々しくなったジックニー。

 妖精界にもすっかりなれたようである。

「あ、フェアリス起きた? 」

「うん、お腹すいたみたい」

 
 ノエリの隣に座って、ジックニーはフェアリスを覗き込んだ。

「可愛いね」

「この子が大きくなる頃、きっと、妖精界も大きく変わっていると思うわ」

「うん、そうだね」

「ありがとう、私と出会ってくれて」

「僕こそ、この広い世界で出会えて嬉しいよ」


 フェアリスを囲んで、ノエリとジックニーはとても幸せそうである。


 

 妖精界という異世界から、人間界に来たノエリ。

 人間を知る為に来たのに、不運な事故により記憶を無くして人間界に足止めされた。

 記憶が戻って妖精界に帰ろうとしていたところ、顔を変えられてしまい帰れなくなった。

 絶望しか見えなかったノエリがふと思いつき、電話をかけて結婚を申し込んだ相手はジックニーだった。

 醜い顔のノエリを愛してくれて、本当のノエリをずっと見ていたジックニー。


 
 ノエリはドン底の絶望から、希望の光を手に入れた。
 
 そして帰れないと思っていた妖精界に無事に帰ることが出来た。

 愛する人と一緒に。


 ブサイクだって、あきらめなければ大逆転する。

 自分を信じて希望を捨てなければ。


 地底と地上が結ばれて、そして、地底と妖精界が結ばれた。


 グリーンピアトにまた新しい伝説が加えられた。

 新しい進化の時代が開かれてゆく・・・。


 END