「瞳の色が赤いのだな? 」

「はい、僕は地底人ですから」

「地底? 」

「魂を弔う場所として、数少なくなりましたが。恐竜達と一緒にくらしている世界があります。地上の人は簡単には近寄れません」

「なるほど。地底の人が地上に来ていたというのか? 」

「はい。僕の父は、地上の人で、母は地底人です。僕は地上で生きる事を選んで、暮らしていました」

「そうだったのか。それで、娘と出会って結婚してくれたのだな? 」

「はい。今更ではありますが、お許し頂けますか? 」

「もちろん賛成だ。これから一緒に、この妖精界を守ってほしい」


 ジックニーの手を取り、フェリーチェスはギュッと握り締めた。



 こうして無事に、ノエリの父フェリーチェスからの承諾も得ることが出来、ジックニーは正式に妖精界の一員として迎えられた。


 ノエリの妹は10年前に結婚して、今は北グリーンピアトの魔法使いと暮らしているそうだ。


 

 そして・・・。


 月日は過ぎて1年後。


 妖精界にもすっかり慣れたジックニーは、次の国王になるため勉学に励んでいた。

 
 ノエリもジックニーを支え一緒に頑張っている。


「ホンギャー」

 赤ちゃんの泣き声が響いてきた。


「あら、お腹すいたのかしら? 」

 
 ベビーベッドに寝ている赤ちゃんを抱き上げるノエリ。

 ショートだった髪は肩まで伸びて、エレガントになっている。


 この赤ちゃんは、ジックニーとノエリの子供。

 3か月前に産まれたばかりの女の子。

 名前はフェアリスという。

 
 オムツを変えて、ノエリはフェアリスに授乳を始めた。