お城まで続く道のりは、緑の木々の並木道。

 アーケードのようになっていて、とても気持ちいい。

 並木道を歩いていると、仕事をしている使用人達の様子もちらほらと見える。

 
 羽の生えた小さな妖精は、魔法の力で掃除をしている。

 ほうきが勝手に動いではいてくれて、ちりとりが勝手に寄ってきてごみを集めてくれる。


 花壇には小さな妖精が、魔法で花を咲かせてくれる。


「妖精は魔法が使えるんだね」

 歩きながらジックニーが言った。

「はい。みんな、魔法使いのはしくれですから」

「そっか。そう言えば、ノエリも魔法使っていたよね」

「え? 」

「美味しいご飯作ってくれてたじゃん」

「あ・・・見ていたんですか? 」

「見ていたわけじゃないけど、なんとなく感じたんだ」

「ごめんなさい。私が作ったって、喜んでくれていたのに」

「ノエリが作ってくれたのには、変わりないじゃないか。いくら魔法で作ったって、心がこもっていなければ、美味しい料理は作れないよ」

 ギュッと、ノエリの手を握ってジックニーはニコっと笑った。




 お城の玄関に着くと、執事が2人待っていた。

「おかえりなさいませ」

 と言って、玄関のドアを開けてくれる2人の執事。


 ドアが開かれると、広々とした空間がっ広がった。

 天井からは綺麗なシャンデリア。

 壁には歴代の国王様と王妃様の肖像画や、風景画が飾ってある。

 上へ続く階段は、赤いカーペットが敷いてありらせん状になっている。


「さぁ、行きましょう。2階の大広間で、お父様が待っているわ」

 ファリヤが先頭で歩き出した。