三日後。

 ファリヤが迎えに来て、ジックニーとノエリは妖精界へと行ってしまった。


「なんだか寂しくなるな。遠い世界に行ってしまったようで」

 アディールはちょっと寂しそうである。

「大丈夫だよ、遠くないよ。妖精さんはね、見えなくても。いつでも僕達の傍にいるんだよ」

「え? そうなの? 」

「うん。天使だって、見えなくても守護天使として傍にいてくれたりするでしょう? それと同じだよ」


 無邪気なルキアス。

 この不思議で、無邪気なルキアスに、アディールもユーリスもとても癒されている。

 天使と人間の血を引いているルキアス。

 ルキアスがどんなグリーンピアトを、作ってゆくのか今からとても楽しみである。




 

 妖精界へ行ったジックニーとノエリ。


 妖精界は綺麗な緑と花に囲まれた世界。

 極寒の地北グリーンピアトの南の森の中に、ひっそりとある妖精の世界。

 人目に付かないようにバリアで守られてる。


 普通の森にしか見えないが、妖精界の妖精が触れると扉が現れ入れる仕組みになっている。


 澄んだ空に綺麗な緑の木々。

 色とりどりの花々が広がって、まるでお伽話しに出てくる世界のようである。

寒くもなく暑くもない不思議な空間。


 大きな大木に穴をあけて、家を作っている妖精や、木の上にコンクリートで家を作っている妖精もいる。

 人間界と変わらない家も並んでいて、マンションもある。


 商店街や食料品販売店も並んでいる。


 城下町ほど賑わってはいないが、ゆっくりとした時間が流れているようだ。



 小高い丘の上に、モダンな建て具合でお城がある。

 グリーンピアト城よりは大きくないが、大きなお屋敷のような感じである。


 お城へ続く大きな門の前には、門番の妖精が2人立っている。


 ファリヤがジックニーとノエリを連れてくると、門が開かれた。