「ところでお前達、結婚式はもう済んだのか? 」

 マロンディスが訪ねると、ジックニーはすっかり忘れていたかのようにハッとした。

「あ、ごめん。結婚式の事、すっかり忘れていたよ。入籍は済ませたけどね」

「え? じゃあ、結婚式してないのか? 」

「うん。特に誰かを招待したり、誰かに紹介するって事もなさそうだったし」

「そっか。じゃあ、お前達の結婚式をやろう」

「え? いいよ今更そんな」

「一生に一度じゃないか。ちゃんと結婚式はするべきだぞ」


 困ってしまい、ジックニーはノエリを見た。

 ノエリも困った顔をしていた。



「ん? なんだ? どうしたんだ? 」

 心配げにアディールが声をかけた。

「いや、ジックニーがまだ結婚式挙げていないってい言うから」

「ん? それなら、城の礼拝堂でやればいい。礼拝堂のマリア像の前で誓った夫婦は、一生の幸せを約束されると言われている。私もユーリスと、礼拝堂で式を挙げたからな」

「ああ、それがいいな。俺達は地底で結婚式挙げたけど。ジックニーは、王家の親戚だからな。お城の礼拝堂で挙げるのが一番だな」

「そうと決まれば、さっそく準備しよう」

「ちょっと・・・」


 ジックニーとノエリの意見は聞かず、アディールはさっそく準備のため手配を始めた。