マロンディスはグイッと、ジックニーを引きよせた。
「おい、ジックニー。あんなに綺麗な人、どこで見つけたんだ? 」
小声でジックニーの耳元で、マロンディスが言った。
「え? どこでって、電話がかかってきて偶然だけど」
「電話? 」
「うん。そんな深い事は、どうでもいいじゃないか父さん」
「いや、どうでもいいんだが。なんだか普通の人とは違うような気がしてな」
コソコソと話しているジックニーとマロンディスを、ちょっとだけ不安そうな目をしてノエリは見ていた。
「ノエリさん。ご出身はどちらなんですか? 」
シルビアに尋ねられると、ノエリは少し戸惑った目をした。
「あ、あの・・・」
戸惑い、答えずらそうなノエリを見て、シルビアは小さく微笑んだ。
「何を聞いても驚きませんよ、ノエリさん。私も地底人ですから」
「はい。・・・私は、妖精界から来ました。もう、20年以上も前ですが」
「まぁ、そうなんですね? だから、貴女の周りにはとてもキラキラした光が包み込んでくれているのですね」
シルビアはそっと、ノエリを抱きしめた。
「ノエリさん、有難うございます。ジックニーと結婚してくれて」
「・・・喜んで頂けて、嬉しいです」
「貴女のように素敵な人が家族になってくれるなんて、夢見たいです」
家族・・・。
そうか、結婚するって事は家族が増えるって事なんだ。
地底の人と家族って、どんな感じなんだろう?
不安だったノエリの心に、少しだけワクワクした感覚が湧いてきた。



