そして夜になる頃。

 地底からジックニーの父マロンディスと、母シルビアがお城にやって来た。


 20年経過しても、若々しいマロンディスとシルビア。

 マロンディスはどちらかと言うと、母アドーヌに似ていてた顔立ちだったが、歳を重ねると父ランフルクに似てきた感じが強くなった。

 シルビアは母のミネバとそっくりになってきた。

 2人共幸せそうな穏やかな表情である。


 2人を出迎えたのは、アディールとユーリス。

「おう。久しぶりっ」

 マロンディスを見ると、アディールはとても気さくな挨拶を交わした。

「アディール、久しぶり。元気そうだな」

「おかげさまで。兄貴も随分と幸せそうで安心したよ」

「ああ、とーっても幸せだよ」


「お久しぶり、ユーリス」

 シルビアがユーリスに歩み寄って行った。

「お姉さん、お久しぶりです」

「すっかり地上の人になってしまったわね、ユーリス」

「だいぶん慣れました。でも、まだ分からない事も沢山で。10年たっても初めての事が多いです」

「そう。王妃様だから、尚更よね」

 シルビアとユーリスが話していると、ルキアスがやってきた。

「あら、ルキアス。大きくなったのね」

「お久しぶりです、叔母様」

「お久しぶり。ルキアスは、お母さんとそっくりね」


 ヨシヨシと、ルキアスの頭をなでるシルビア。