「な、何これ! どうゆう事よ! 」

 何が起こったのか分からず、デルバはただ茫然とその場に座り込んでしまった。


 電話を切ったアディールは、ジックニーに歩み寄ってきた。

「これで良かったな」

「はい。でも、ごめんなさい。玄関が・・・」

「あのくらい構わん。だが、修理が終わるまではここにはいられないなぁ」

「はい・・・すみません・・・」

「しょうがない。2人も、城に来い。その方が、しばらくは安全だ」

 
 ノエリはきょんとして、ジックニーとアディールを見ていた。


「失礼します! 」

 バタバタと検察官が数名入ってきた。

「お待たせして申し訳ございません。お怪我はございませんか? 」

「ああ、誰も怪我はしていない。玄関が破壊されそうだったがな」

「この女性ですか? 」

 
 座り込んでいるデルバを、2人の検察官が抱えた。


「ああ、そうだ。調査資料は全て、検察に送ってある」

「畏まりました、では連れてゆきます」

 検察官たちはデルバを連れて行った。



「フーッ。これでもう安心だな、ジックニー」

「はい、ご協力いただきて有難うございます」

「いいや、全然か構わない。だが、お前の愛する人が困惑しているようだぜ」


 ジックニーはノエリがキョンとしているのに気付いた。

「あ、ごめんねノエリ驚かせて」

「い、いいえ・・・。国王様が来て下さるとは・・・どうゆう事なのでしょうか? 」

「うん。俺は、国王様とは親戚になるんだ」

「え? ご親戚? 」