アディールはジックニーを見た。

 目と目が合うと、ジックニーはそっと頷いた。

 アディールは呆れた目をしてデルバを見た。

「とりあえず、検察に行ってもらおう。鍵をこじ開けようとしていたのも、穏やかではない。玄関も開かないほど叩かれていた。これは尋常ではないな」


 アディールは電話を取り出してかけ始めた。


「なんなの? どうゆう事よ! ・・・ありえないわ! 」

 と・・・

 鞄からナイフを取り出すデルバ。


「ありえないでしょ! アンタが・・・」

 ナイフをノエリに突き付けるデルバ。


 ナイフの先端を見て、ノエリは息を呑んだ。

「醜いアンタが・・・そんなのありえない! 」


 と、ナイフをノエリに振りかざそうとしたエデルだが・・・


 ビカッ!

 瞬間的な光がデルバの目にあたり、眩しさに目を覆った時・・・

 スルッと足を滑らせたデルバはその場に転んだ。


「っ・・・」

 転んだ痛みをこらえて立ち上がったデルバ。

 すると・・・


「え? 」
 

 起き上がったデルバの顔が、以前のノエリよりも、もっと酷く醜い顔になっていた。

 浮腫んで二重顎になってしまった顔の輪郭、鼻は団子鼻、唇は太くてタラコより醜くなり口角が下を向いている。

 目は吊り上がって浮腫んだ細い目になり、眉間にはたてシワがクッキリ刻まれている。

 そして体も太った体系になってしまたった。


 全体を見てデブでブサイクと言えるほど、醜くなってしまったデルバ。



 驚き、茫然と見ているジックニー達を見て、デルバは自分の顔に触れてみた。

「嘘・・・」

 違和感を感じ、鞄の中から鏡を取り出し自分の顔を見たデルバは、驚いて悲鳴を上げた。