リビングのソファーに背を向けて、ノエリが座っている。

 アディールをはノエリの後姿を見て、立ち止まった。

「貴女がノエリさんですか? 」

 ノエリに歩み寄りながら、アディールが訪ねた。

 背を向けたまま、ノエリは頷いた。


「ほう・・・」

 そのままアディールは、ノエリの正面へ向かった。

「ん? 」

 目を見開いて、アディールは驚いた顔をした。

 その顔を見て、デルバはニヤリと笑った。


「国王様、大変申し訳ございません。妹は人様にお見せできるような、顔ではございませんので」

「はぁ? 何を言っているのだ? 」

「え? 」

「この写真。この女性が、貴女の妹だと言うのだな? 」

「はい。間違いありません」

「そうか。だとしたら、貴女が言っていることは全く嘘だな」

「嘘? どうゆう事ですか? 」


 急ぎ足で、デルバはノエリの正面へ回り込んだ。

 すると・・・

「え? なんで? 」

 ノエリの顔を見て、デルバは驚いて茫然となった。 


「なんでとは? どうゆう事なんだ?  」

 アディールが訪ねると、デルバは茫然としたまま答えた。

「だって・・・ノエリはブサイクだったはずよ! ブサイクで就職だってできなくて、誰も相手になんてしなかったくらいよ! どうして戻っているの? 」

「戻っているとは、どうゆう事なんだ? 」
 
 デルバはハッとして口を手で塞いだ。