りゅうちゃんと付き合って1週間。
最近、学校の様子がおかしいように感じる。
よく、私の名前を誰かが言っているから。
あと、りゅうちゃんと。
それも、1週間前から。
また、鈴木さんの仕業?
もう、ここまで来ると馬鹿らしい。
いつまで引きずっているのだろうか。
私が言うのもあれどけど、いつも思う。
「……もう諦めなよ」
つい、声に出してしまうほど、呆れる。
「ねえ?なんか言った?」
ああ、始まった。
「……別に、何でもない。」
「何その態度。ねえ、こいつうざいよね、みんな。」
「分かるぅ~、竜斗君と付き合ったからって調子のりすぎだよね~!」
調子にのった覚えないんだけどな。
私は一人になりたくて、教室を出ようとする。
そしたら、
「ちょっと男子ぃ~、今から女子会するから出て行ってくれる?」
鈴木さんはそう言って私を鋭い目で睨む。
怖い。
男子はすぐに居なくなり、残ったのは私と私を睨む女子達。
「柿崎さん、なんで竜と付き合ってるわけ?近寄るなっていったよね?」
知っているよ、覚えてるよ、鈴木さん。
「……んで、なんでりゅうちゃんのそばにいたらいけないの!」
こんなことを言った自分に驚いた。
鈴木さんの顔は、みるみる鬼のようになっていく。
「お前、何言ってんの?」
鈴木さんはそう言って、周りの女子は、私に生ゴミをかけた。
汚い、臭い、悲しい。
ゴミと涙が混ざっていく。
「いい気味よ。」
女子達は笑いながら教室を出て行った。
「……ちゃん、りゅうちゃん、助けて……」
教室の真ん中で泣きながらつぶやく私。
「さきぃ~、一緒にかえろうよ~、咲~!」
遠くの方から聞こえてくるこの声は。
「咲、居るんで……咲!なんだよそれ、誰にやられた?ごめんな、ついてやれなくて。」
りゅうちゃん。
りゅうちゃんは私を包み込んだ。
「…っぐす…りゅうちゃ…りゅうちゃん!」
私は泣きながらりゅうちゃんに抱きついた。
こんな私でごめんね。
「咲、大丈夫。誰にやられたんだ?」
優しく問いかけるりゅうちゃん。
「……鈴木さん」
私はその優しさに負け、言ってしまった。
もしかして、またいじめられるかな。
「分かった。これからは、学校の中ではずっと一緒に居る、いいな?」
「…うん、分かった。」
私はりゅうちゃんに心配をかけてばっかりだ。
でも、りゅうちゃんの優しさがないと、私はもうこの学校になんて、来られない。
ありがとね、りゅうちゃん。