久しぶりの学校。
そういえば、私は高校3年生になっていた。
クラスは2年の時と同じ。
だけど、行きたくない。
だって、
「あー!昨日の人だ~!あ、柿崎さんだったの~!私、分かんなかった~!」
この声を聞きたくない。
「おはよう、花。あ、昨日の人、咲だったのか。久しぶり過ぎて分からなかった。」
やめて。
早くどこかに行ってよ。
私の前でりゅうちゃんと一緒にいないで。
「りゅうちゃん、私の事、抱きしめてよ。前みたいに抱きしめてよ!」
「は?お前、何言ってんだよ。俺はいま、花と付き合ってるから。な、花。」
「うん!りゅう、だぁ~いしゅき!」
「俺も~」
思い出した。
もなが前、言っていたことを。
りゅうちゃんに、彼女がいたことを。
それにこの女の正体は
「……鈴木さん」
私はだれにも聞こえない声で呟いた。
なんで鈴木さんなの?
私は?いじめられていたんだよ?
りゅうちゃん、私はなんで手術頑張ったの?
りゅうちゃんに会いたかったからでしょ?
りゅうちゃんにまた抱きしめてほしかったからでしょ?
「行こうよ~りゅう!授業始まっちゃうよ!」
そう言って鈴木さんはりゅうちゃんの手を引いて教室に入っていった。
「…ちゃん、りゅうちゃん…」
私は泣くしかなかった。
泣かないなんて、無理だった。
みんなが見ている中、泣いた。
もう、私に居場所はないのかな。
クラスメイトはいじめる、りゅうちゃんは私を一人にする。
そう、りゅうちゃんは私をもう、想っていない。
でも、それでも私は
「…りゅうちゃん、好きだよ。大好きだよ…」