「うわぁ。きれ~い!」
りゅうちゃんの部屋は黒と白で、男の人っぽい部屋だった。
「適当に座っといていいよ。飲み物取ってくる。」
「うん!」
今日はもうすぐお母さんとお父さんは旅行に行くらしい。
結婚記念日だって。
いいな、なんて。
私はベッドにちょこんと座って部屋を見回していた。
「お待たせ。」
「ううん。」
私たちは普通に会話をして、過ごしていた。
それだけで幸せを感じられる。
夜になった。
寝るのがいやだ。もっとしゃべっていたい。
「寝たくないとか思ってるのか?」
エスパー?
「…うん。」
恥ずかしくて声が小さくなった。
「やばい、咲。可愛い。」
も、もう!やめてよ!
「好きだ。」
りゅうちゃんは私に近寄ってそう呟き、キスをした。
ファーストキス。
私今までキスしたことないんだよね。
舌が入ってくる。
甘い。溶けちゃう。
「ーん!」
「ごめん。止まんねえ。」
え!ちょっ!
「いいか?」
「うん。」
りゅうちゃんの唇が私の首につたう。
そこから私たちの体は一つになった。
幸せが、波のように感じられる。
私達は、もう離れない。
そう思っていたのに。