『生まれました!生まれましたよお嬢様!女の子ですよ!』

『ああ、何て可愛らしいのでしょう。私の愛おしい赤ちゃん…』

16年前、母は私を産んだ。

東雲家は代々継承が母系血統から成り継承順位は女性が優位になる為、女の子が生まれると大層喜ばれ、愛でられて育つそうだ。

だけど、喜ばれたのは最初だけで、私を見た途端生まれた事を祝福する者は居なくなった。

『ひっ……この子、瞳が赤いじゃない!』

『お義母さんやめて下さい!それでも私の大切な赤ちゃんなんです…!』

祖母は私を見るなり顔を青ざめて忌み嫌った。

『どうだ?!生まれたのか?!』

『俊介さん!女の子が生まれましたよ。ほら、可愛らしいでしょう?私達の大切な子どもですよ』

『なっ……赤い目だなんて、恐ろしい』

『俊介さん、どちらへ行かれるのですか……待ってください!行かないで…!!』

父は私を見るなり目が赤いと言って恐れ、家から出て行ってしまった。

母を簡単に見捨てた。