鬼神様のお嫁様


連れて行かれた部屋は彼がよく使っている所なのか壁に沿って本棚がズラリと並んでいた。

ビッシリと並ぶ本は難しいものばかりで流石に読もうという興味は湧いてこない。

「ねえ、天音さんとは友達なの?」

「ぴんぽんぴんぽーん!俺たちは大がつく程の仲良しだからね」

暁に話しかけた途端、後ろからついて来ていた天音さんが返答した。

「帰れと言ったはずだ」

「良いじゃん、それに本当に帰って欲しいと思ってるなら俺は今頃お前に術でも使われて放り出されてるよ」

先程と似たようなやり取りを続ける2人は見ていてまるでお笑いコンビのようで思わず笑ってしまう。

「何を笑っている」

「仲良しだなあって」

「ただの腐れ縁だ」

確かに本当に帰って欲しかったらこんなに駄弁るはずがない訳だから天音さんの言う通り暁は優しいのかもしれない、なんて思ってみる。

「そう言えばすみれちゃんは来たばかりで夜市にはまだ行って無かったよね?」

「はい、ちらっと見たくらいです」

「じゃあさ!今から夜市行ってお祭り気分味わいに行こうよ!」

それを聞いて大きな溜め息を漏らした暁を他所に私は大きく頷いた。

実は少し、あの夜市には興味があったのだ。

いくら人間の真似事だとしてもあれは流石に人間よりもすごいんじゃないのかな、と思わされる程魅力的に感じたから。

「決まりだね!よっし出発!」